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馬車のうしろを走る乗り物たち
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少し高いところから見るランパーンの街。
街灯のオレンジ色の灯りがアスファルトの道を照らしている。その中を自動車とバイクとこの馬車が走っていく。夜のランパーンは屋台だけが活気を帯びていて、あとはみんなお休みといったところだ。時折、寺院が見える。タイ特有のキラキラした派手なお寺である。ガタガタガタと揺れる馬車に揺られながら、なんだかいったいここはどこなのだろう?と、少し違う世界にいるような気持ちになったのであった。
馬車を降りて、少し散策する。タムさんは私たちに「陶器は好きか?」と聞いた。
前回タイに来たとき、スーパーで食器とゼブラマークの鍋を買って帰ってばななんである。そりゃぁ好きですとも。
すると彼女は、陶器市場に私たちを連れていった。ランパーンはタイ有数の陶器の街なのだそうだ。露店にいくつもの陶器が並べて売られていた。好きなのを選べというので、一つ選ぶと、彼女は私達にそれを買い与えてくれたのであった。
私達は、それくらい自分で買うしいいよ、と何度もタムさんに言ったのだが、彼女は聞き入れてくれなかった。私達は、その好意を受けることにして、ひとつ小さな茶色の湯飲みのようなものを手に入れたのであった。今でもそれは、私の宝物のひとつである。
タイでは「金持ちは金持ちらしくふるまう」というのが当たり前になっているようだった。
日本では、ベンツに乗ってディスカウントストアに行く人は当然のようにいるけれど、タイではそういった階級意識のようなものが日本より大きいようだ。日本が特殊なのかもしれないけれど。
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