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タイのバス乗り継ぎ券
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さて、移動である。ガイドをみると、駅からはバスでエアコン29番が目的地サヤームスクエアに着くようになっているようであった。サヤームスクエアというのは繁華街の名前で、70〜80年代に繁盛した、商店街というか、お店の密集地帯の名前である。近くにはいろいろなショッピングセンターができており、タイ東急百貨店などもある。
何故そこを目指すかというと、もちろん、いろいろなところへ行きやすい交通の要所というのもあるのだが、「発音しやすい」というのも実は重要なポイントになるのである。
駅の西側にバスターミナルがあり、そこからいろいろなバスが発着している。私たちは、トゥクトゥクの客引き攻勢を交わし、目的の29番エアコンバスを待った。
何分か待っていると、バスがやってきた。意気揚々と乗り込む。
バスに乗り、しばらくすると、バスの切符切りのおねぇちゃんがやってくる。そう、タイはワンマンバスではないのだ。自動精算機などもない。少し長い円筒状の金属の筒をかちゃかちゃといわせながら、おねーちゃんはやってくる。その筒の中に、小銭と切符が入っているという仕組みだ。
エアコンバスと普通バスでは、同じ場所へ行くのでも料金が違う。また、バス停一つ一つに名前などないので、だいたいの場所を把握していないと、降りることができないのである。
そこで、「発音しやすい場所」の登場である。
タイでは、若い人ならばカタコトの英語が通用するが、なかなか通じないことも多い。そして、タイ語の発音というのはこれまたものすごく、難しいのだ。字も読めないし。
たとえば、ラチャダムリ通りというところのプラトゥーラム市場に行くとしよう。これを発音するのはものすごく大変なのだ。タイ語を少しでも知っている人でなければ、まず通じないような気がする。日本から持ってきている地図にはタイ語は載っていないことも多いので、書いて通じるということも難しい。
となるとやはり、タイ語化している英語の地名の場所が、もっとも通じやすい地名ということになる。
そういうわけで、私たちはそれから後も何度もこの「サヤームスクエア」という場所にお世話になるのであった。
バスの切符切りのおねーちゃんに、お金を渡す。そしてまず、「サヤームスクエア?」といって、このバスが本当にそこに行くのかを確認する。するとだいたい、「サヤームスクエア、カー(はい)」等と言ってくれるので(言ってくれないと困るのだが)、その後カタコトの英語とタイ語とジェスチャーで、「私たちはそこで降りたいので、着いたら合図をしてくれ」ということを伝えるのである。
そうこうしながら、バスは排ガスの中を走っていくのであった。
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