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部屋の中で一息つくと同時に、どうもかなり体が汗ばんでいるということに気がついた。せっかくのホットシャワーなんだから、今から午後のシャワータイムにしよう!ということになった。

このゲストハウスのシャワーは、普通のホテルのように、お湯と水の蛇口が2つあるとか、サーモスタットがついていて適温のお湯が出る、といったものではなかった。

では、どんなん?というと、いわば、台所にあるガス瞬間湯沸かし器みたいなシャワーなのである。点火ボタンを押して、ポンとスイッチを入れると、シャワーっとお湯が出てくれる仕組みである。この装置の欠点はあまり湯量がないことであった。勢いがないというやつである。しかし所詮400バーツ。多くを期待してはいけないのである。

よく見れば、シャワールームの窓は隙間が開いていてきちんと閉まることはないし、換気扇の羽は折れてしまって、しかも動かないときているので、ちょっと油断すると虫が入ってきてしまうのであった。

でもシャワールームのドアを閉めてしまえば虫は入ってこないし、思ったよりもバンコクは虫が少なかった。もっと蚊とかハエとかが多いかと思っていたのだが。
 

トゥクトゥクのにぃちゃん。とにかく寄り道はするな!
3輪タクシートゥクトゥク

シャワーを浴び、さっぱりした私たちは、再度出かけることにした。カオサン通りというビンボー旅行者のメッカのようなところに行ってみようかということになった。あやしいもん好きのばななん、そう聞くとなんだかとても見たくなったのだ。泊まる勇気はなくとも、とりあえずどんなんか見とかなってやつである。

なんでもそこは、安いホテルや旅行代理店や外国人専用のようになったバーやレストランや、なんだかんだで、インド帰りの人や世界中の人がとどまってしまうような、そんな通りらしいのだ。はまってしまうと抜けることのできない、多少アブナイ空気も漂うところと伝え聞いていた。

バスに乗り、カオサンを目指す。近くのバス停で、うーむどのあたりだろう?と思案していると、ちょっとゲイ風の中国系の男の人が、「カオサンに行くのか?」と聞いてきた。そうだと答えると、ついてこいと手招きをした。そそくさとついていくと、そこにカオサン通りはあった。

うーん、これがカオサンかぁ。
一見してだけだと単なる外人御用達通りだな…というのが私たちの正直な感想である。

路地に入るとそこにも小さなゲストハウスや併設されてたカフェが軒を連ねている。表通りにはお土産屋や、偽学生証屋や、旅行代理店や、マッサージ屋や、とにかく旅行に必要なものは、すべてここで足りるのではないかと思えるほどの店揃えなのだ。地元の人が入りこめないその空間には、ある種独特の雰囲気があった。

確かに一人旅をずっとしていると、寂しくなるものなのかもしれない。自国の文化や食事も恋しくなるのかもしれない。ここはそういった人たちのたまり場のようであった。安い外人専用といった趣の、アメリカンなバーやレストランに、これといった用事もなさそうな、外国人たち(おもに欧米人)がうだうだとしながらたむろっていた。

もしかすると、なんだかものすごい期待をこの通りにしていたのかもしれない。バックパッカーの聖地と呼ばれるこの通りに。だけど単なる通りすがりの今の私たちにはあまり用事はないかもしれないね、といいながら、私たちはカオサンを後にしたのであった。

でも一度でいいから、どこか別の場所で会った人に、カオサンで再会!てのを体験してみたいなぁと思うばななんである。
 

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