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ドンムアン空港駅で列車を待つ
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空港からはいろいろな方法でバンコク市街に行くことができるが、調査の結果、私たちは列車を使って行くことにした。なぜならそれが一番経済的だからである。市街まで約1時間、1時間に1本程度、列車はやってくる。その料金が5バーツである。日本円になおすくせはここでおさらばしないと、自分が大金持ちになったような錯覚をおこしてしまう。
ちなみに一番“非”経済的にバンコク市街に向かう方法は、一流ホテルがやっているエキスプレスボートサービスというもので、これはなんと800バーツもする。
渋滞なし、エアコンつきで快適、だそうだが、これがタイの価格差であって、貧富の差と使う人の差を表す数字でもあるような気もする。
バンコクの渋滞地獄というのは有名な話で、小一時間でつくはずの場所も、通勤ラッシュのときなどにひっかかれば3時間はざらというのだから、東京や大阪の比ではないらしい。なにせ地下鉄や市電といったものはなにもなく、高速道路さえ満足に整備できていないところに、ものすごい勢いで発展し、車が爆発的に増えていったおかげでこんな事態になってしまったという話だ。
ともあれ、私たちは列車に乗るべく、空港の外へ出た。空港の向かいに線路が見えていたし、駅は向かいにあるとガイドブックに書いてあったからである。
暑い。ものすごく蒸し暑い。
すぐそばにあると書いてあったはずの駅が何故か見あたらず、歩道橋のようなものをわたると、そこは駅近くの商店といった趣の(とてもさびれた)店があり、とてもやる気なさげな店員らしき人が、でかいリュックをかついできた異邦人たちをじろじろと見ていた。バイクタクシーをやっている兄ちゃんたちのたまり場のようなところでは、「タクシー?」と聞かれたが、この荷物をどうやって運ぶというのだろうか?屋台で焼き鳥のようなものや果物を売っていたが、お腹はすいていたのだけれどあまり買う気になれないような、そんな趣であった。
駅はどこなのだ?
5歩歩くだけで汗がだらだらと落ちてくるような気さえする中、すこしイライラしながら歩いていると、やっとそれらしきものが見えてきた。どうやら遠回りしたらしいかった。
暑さと物売り&客引き。
いきなりアジアの洗礼を受けてしまったような気がした2人であった。 |