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更けゆく夜
シュノーケルを終え、テントで昼寝をしたあと、シャワーを浴び(とはいっても海の近くにある公共の水シャワーですべて済ますのであるが)夕食をつくることにした。

ふと、なんだかもう何日もここに住み着いているような感覚に襲われる。そして、気が済むまでこうして過ごしていたいなぁ、と思うのだ。住んでいる街のことや、毎日追われている仕事のことなどはもう遙か彼方の出来事で、今は今日何をするか?何を食べようかという、とてもシンプルな感情だけを考えていれば良い、というのがとても幸せな気分であった。

さて、夕食である。
今日は、とっておきの非常食、カルビ入り焼き肉ぞうすいを食べることにした。おもむろにそれを取り出すと、隣にいたにーちゃんが「あ、それオレも持ってた」と言った。しかし彼は、そのぞうすいを、薄くてあまりおいしくなかったとのたもうた。おのれー食べる前にそういうことを言うなぁと思ったが、時すでに遅しというやつである。
確かに薄味であった。期待していただけにがっかり度もひとしおであった。

少し残ったので、そこらをうろうろしている猫にやろうとした。するとその猫は、残飯をくんくんと匂ったあげく、ぷいと横をむきどこかへ行ってしまった。くそぉ、うちらはそれを食べているというのに、猫ごときが贅沢いって好き嫌いするなんて、わがままでグルメな猫なんてきらいさっと捨てぜりふを残したばななんであった。
 

グルメな猫
グルメな猫

近くにいた尾道から来た調理師のにーちゃんが、なんと焼き肉丼をつくっていた。週に一度の贅沢といって食べていたその焼き肉を、猫にも食べてもらえない飯を食べていたかわいそうなばななんに少し恵んでくれた。

おぉ〜うまい〜人間プライドをもつとこういうときはやっかいである。んまいもんはんまい。
人の好意は甘えましょうとそういうことなのだとそこで悟ったのであった。(違うか?(笑))

夕食を終え、洗い物をし、眠るまでの間の時間を思い思いに過ごすのであるが、なんとなく近くに集まって話しが始まる。

北海道の宗谷岬を冬に旅立ってから(さむいっちゅーに)夏の沖縄を目指してずっとツーリングを続けているバイク野郎の話。今、若者の間では、何がはやっているだとかそういう話をしてあげると、俗世から離れているので新鮮らしくへぇ〜ほぉ〜などと言って聞いていた。
屋久島へはもう4回目だという人(博士と呼んでいた)は物静かで、人の話をずっと聞いているだけのように見えて、ところどころツボを得た回答を寄せてくれるのでおもしろい。

そしてわたしは、日本では勝負できないので、海外での話なんかをした。今はバイクをオーストラリアに持っていってツーリングする人も増えているし、案外お金がかからないからいいよというようなことを言うと、ライダー2名がすっかりその気になって、今度はエアーズロックの上で待ち合わせだぁ〜などと言ったのであった。

今日のウミガメ見物はいつもの近くの浜ではなくて、少しだけ離れた大きめの浜に見に行ってみようということになった。そこに行くまでは、自転車では少し遠い。ということで、バイクの後ろに乗せてもらえることになった。
いやっほう、バイクの2人乗りなんて何年ぶりだろう?

夜の栗生に車はほぼ走っていないといってもよい。そんな中をバイクで風を切りながら走ると、なんだか自分がなんでもできるような気がしてくる。なんとなく暴走族の人の気持ちがわかるなぁ〜と思ってしまった。それほどノーヘルというのは気持ちがいいのだ。(警察のひと、見てたらごめんなさいっ時効だから許してね)

結局、違う浜ではウミガメを見ることすらできなかった。
だけど、ずーっとこんな日が続けばいいのになぁと思うほど、キャンプ場の生活にはまりこんでいたばななんなのであった。

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