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第二屋久島丸
タクシーが到着したのは出航の約20分前であった。こぎれいなフェリーターミナルの建物の中に入り屋久島行きのフェリーの切符売り場を探す。が、ない。フェリーの切符売り場がないのだ。
ジェットフォイルという高速船の売場はあるがフェリー用のそれは何処にもみあたらない。しかもその切符売り場のどの窓口も開いていないので誰にも聞けないのだ。とにかくココはちがうようだ、早くしなければ船が行ってしまう〜とリュックを背負いつつえっちらおっちら走る。

そうだ、船に直接いってみよう!と思いたち、建物を離れて船が停泊しているところへ急ぐ。すると、貨物倉庫みたいなところに屋久島行きのフェリー切符売り場はこちらと書いてある場所があった。あ〜もうなんやぁここやんかぁははは とおもいながら近づくと、そこは単なる荷物置き場で切符なんて何処にも置いちゃいやしないのだった。

なんでや〜と心の中でつぶやきながら、たまたまそこにいた作業員のおっちゃんに「屋久島行きのフェリーの切符売り場はどこですか?」と尋ねると、その人は言った。「ねぇちゃん人だけじゃフェリーは乗れないよー」

がが〜んやっぱり車がないとダメなのか〜と思ったがすぐに心を切り替え「自転車持ってるんですけどー」とやりかえすと、おっちゃんはそれなら多分行けるよと教えてくれ、あっちの方にあるのが切符売り場だよと指図してくれた。

わかりましたぁありがとう〜といいつつその指さした方をよく見ると、小さな工事現場の仮設事務所みたいなプレハブの小屋が置いてあった。え?あれ?と再度聞き返したくなるようなコンテナ型の小屋であった。なんだか怪しい雰囲気が漂っている。

小屋に行き、フェリーに乗りたい旨を伝えると、コンテナの中で座っていた高校生みたいなおねーちゃんががさごそと机の中から切符を探し出し、そろばんで計算をして料金を算出してくれた。運賃が3000円で、自転車手荷物料として別途730円の領収であった。

ふむふむそういうシステムかぁなどと思いながら何気に料金表を見ると、そこにはこう書かれていたのであった。
「死体を運ばれる際は2等運賃の20倍を領収いたします」

え???死体?
そして何故それを料金表の看板に書くのだ?なんだか軽いカルチャーショックをうけたばななんであった。

 

第二屋久島丸荷物積載中
第二屋久島丸荷物積載中

乗船時刻だ。で、船はどこだ?と探すが何隻か停泊してはいるがフェリーという感じのそれらしきものは見あたらない。切符売り場まで案内してくれたおじさんに「で、どれですのん?」と聞くとおじさんはすぐそばにあった貨物船を指さした。

え?あの軍艦みたいなんが?とおもわず聞き返しそうになるほど朽ち果てた、どう見ても旅客用フェリーとは思えない、貨物用にしても何故にこんなカーキ色?と問い返したくなるようなそんな船なのであった。

親切にもそのおじさんは中まで案内してくれた。のはいいのだが、そこには入り口はなかった。なんと貨物口からえいっと飛び乗るのだ。そして、積み込む荷物はといえば、一昨日去ったばかりの台風による被害の修繕用なのであろう電柱用のコンクリートの柱であった。

電柱をかいくぐって船室まで行く。重油くさい匂いに思わずうっとなる。着いた。おじさんはおもむろに一等船室のドアを開け、本当はキミは2等だからここに入っちゃいかんのだが今日は特別にここに乗ってもいいよというようなことを鹿児島弁で言った。あまりよくはわからなかったがそういうことだったと思う。

丁寧におじさんにお礼を言い、こそっとそこに座る。人の気配がない。かすかに乗組員らしき人が歩いているだけだ。出航時刻をもう5分すぎているが依然港を出る気配はない。どないなとんねーん!と思わず声に出してしまう。しかし辺りには誰もいず、一等船室とは言っても宮崎行きのフェリーとなんら変わりはない。一等なのに少し重油っぽい匂いも漂い、何げにアルマイトの洗面器なんかがさらりと置いてあったりして、かなり気分はローテンションになりさがったのであった。

私はこれからなんちゅうとこに行くんやろうか…早まったか
そんな気持ちがどんどんと高まってきた。この船で4時間かぁ…遠いぜ屋久島…

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