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シュノーケルばななん
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昼食後 いよいよシュノーケリング開始である。テントからあるいて数分のところに潮だまりになっていてサンゴもみられるという格好のシュノーケリングの場所があるというのでそこに行くことにする。
海がきらきらしている。
「うーんこれが太平洋なんだなー」とつぶやくと、となりでだれかが「東シナ海だよ」とつぶやいた。人の感動を踏みにじるやつだなと思ったが、当たっていそうなのでなんとも反論しかねるではないか。とほほな私である。
シュノーケルをするときに絶対使おうと思って持ってきていたものがあった。使い捨てカメラの水中用のやつである。あ、使い捨てって言ったらいけないんだったか?
ともあれそれで水中写真をとるのを実はすごーく楽しみにしていたのであった。
ダイビング雑誌なんかをパラパラみているとめちゃめちゃきれいな写真が掲載されていてきれいな海さえあれば私にもちょっとはできるんじゃないか?と考えていたのだ。
とりあえずカメラを首からぶら下げて海に入る。岩の潮だまりに入るからなんだかお風呂に入るみたいである。えいっと顔をつけて水の中を見る。
おーっいるいるー 小さいが熱帯魚が泳ぎ回っているではないか。こういうときに知識がないから熱帯魚とか青い魚ーとかしかいえないのがくやしい。
よぉーしシャッタチャーンス!とばかりにカメラを水中に沈ませる。しかし、ファインダーをのぞくのがめちゃめちゃ難しいのだ。いったん自分が潜ってからカメラを構えるのができそうでできない。しかもなんかそうこうしているうちにおさかなくんたちが危険を察してかどこかへ消えてしまうのだ。
おっきれいな魚だ!と思ってカメラの準備をするともうすでにその魚の姿は影も形もないのであった。仕方なく自分のシュノーケルしている写真を人に撮ってもらったりして、お茶を濁した。
ためしにほかの人にも挑戦してもらったが、やはりみんな「難しいねー」といってカメラを返し、素人が水中の決定的瞬間を撮る!といったことは不可能だと悟ったのであった。
水は結構冷たかった。ちょっと入っていると少し寒くなるので岩の上で日光浴をして体を温め、また暑くなってきたら海に入るといったことをしていた。
すこし慣れてくるともう少し深い海に入りたくなるものでちょっとだけ沖のほうへでてみることにした。顔だけつけて水中を見ていると、すっと横切る青いものがいた。
ん?なんやあれ?とよくみてみると、なんとでっかい魚だったのだ!全長80cm位はあろうかというような大魚である。
しかもなんだかナポレオンフィッシュにとても似ている。えーーこんなところにいるのか?もう一度確認しようとするともうすでに逃げ足はやく姿はなかった。もう一度みたい!あれはなんだ!と再度今度はすこし潜ってみたもののやっぱりいない。
ふと顔をあげると岩場から少し離れてしまっていた。
早く戻ろうと思い、泳ぎ始めるがなかなかたどりつかない。岩まではほんの1mくらいなのに全然近づかないのだ。しかもそういうときに限ってだれも自分の方を向いていない。
よしもうちょっと気合いを入れて泳ごう!とした瞬間履いていたひもでぐるぐる巻きにしたビーチサンダルが脱げてしまってパニックになってしまった。
ああーーーたすけてくれぃーー
という言葉がここまででているのに声にならない。
うーむもはやこれまでか…などと絶望の淵に陥る間際、一緒にシュノーケリングしていた一人が私の浮いたビーチサンダルに気づいて、さらに私が流されかけてるのに気づき、引っ張って助けてくれたのであった。
ありがたや〜、まさに命の恩人である。はて?しかしそれがいったい誰だったかはもうすっかり忘れてしまったばななんなのであった。 |