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道路滑落現場
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かなり過ぎたところでようやくホッとしたのもつかのま、また別のサル集団がいた。ひぇ〜なんでやねーんと思いつつ、また同じように全速力で走りぬける。この集団は結構大きくて山のほうにもサルがいる様子だったし、目をみてないにもかかわらずキィーといって少しだけ追いかけて来る気配があったので、ものすごくこわかったのであった。
幸い、両方とも下り坂だったので、わりと一気に走り去ることができた。よかったねーなどと話をしていたが、帰りは逆に上り坂だということに気がついたばななんは軽いショックをうけた。サルにおそわれなければいいのだが…帰れるのだろうか…。しかしこの海沿いの西部林道しか帰る道はないのだ。
1時間ほど走ったであろうか、ようやく道路通行止めの看板が見えてきた。この先1km道路滑落のため通行止めと書いてある。まだ進めそうなのでそのまま看板を通り過ぎて走る。道に少しずつ流木や土が転がりはじめていた。最初に泊まった宿のおじさんは、かなりの被害らしいと言っていたし、一体どんなんだろう?と島の人には申し訳ないけれど、ほとんど観光名所を見にいくような気持ちで現場を見にいっているのであった。
滑落現場に到着。約1時間30分程の道のりであった。そのあいだ全く人とすれ違うことはなかった。ヤクザルの歓迎をのぞけばまさに貸し切り状態である。まぁしかし誰も好きこのんで滑落現場なんて行かないよなぁーなどといいつつ現場にて記念写真を撮影。崖づたいにあったはずの道路は山から一気に落ちてきた土砂で約300mくらい全く通れない状態であった。
かなりすごい台風だったんだねぇーなどと、ほとんど人ごとのように話を振ると、ちゃりだーの彼は私が屋久島に着くより2日ほどはやく来ていたらしく、その台風のせいで東京―鹿児島間の飛行機は飛んだもののそこから先の船が全然でなくて足止めをくらって大変だったのだと主張した。
それはそれはーといいながらもやはりあくまでも他人事のばななんであった。
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