父島1周の旅
スーパー小祝
ジョンビーチ
シュノーケリング
浸水事件
ものすごい星空
ケータ島探検
イルカ三昧
さよならパーティ再び
エピローグ
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レモン狩りを終え、全員で船に乗り込む。今日は母島近海をイルカを探しながら走って、それから父島方面へ戻りながらマッコウクジラがいる海域へ行き、クジラを探して船を走らせることになっている。
母島のまわりの海では、まだドルフィンスイムのツアーもほとんど行われていない。
ハンドウイルカの群れがいたので海に入ってみる。
この頃になると、多少イルカが海の中にいる、という状態に慣れてきて、イルカを発見してから海に入る時間も多少は縮小傾向にあった。
母島のイルカは果たしてとっても優しかった。
私のようなほとんど潜れないような奴らにも平等に、ゆっくりとまわりを旋回してくれる。なんとなくイルカと目が合って一緒に泳いだような気がした。
きゅーきゅーというような表現しにくいイルカの声がする。
気のせいかもしれないけれど、確かにその時何かを感じた。
今までとは違う、イルカとのコミュニケーション。
他のメンバーもだんだん上手になってきて、「絡む」ことができたと喜んでる子がたくさんいた。
イルカはイルカの気分で、突然現れて「あそぼー」と言ってる人間たちにつきあってるだけなので、彼らの気分がのらないときは素通りだし、休憩中だと海の深いところをゆっくりと泳いでいることもある。
私たちはイルカの邪魔をしないように、だけどもしよかったら遊びませんか?っていう謙虚な態度でスイムしなきゃいけないのだなぁと思う。
父島近海だと南島周辺によくハンドウイルカの集団がいることが多い。 ときには二見湾の中にいることもある。
こうしたときは、ドルフィンスイムやダイビングの船も一斉にわぁぁーっと海に入るので、5匹くらいの群れなのに人間たちが70人とか、えらい騒ぎになることもあって、そういうときはイルカに申し訳ないなぁと思ったりする。
夏のシーズンになると、毎日たくさんの人が海に入るので、イルカも船が近づく時間になるとすすーっと沖合に逃げてしまうことも多いと聞いた。
イルカと人間との関係、そしてつきあう人間の数。
ジャックマイヨールが言ったように、「イルカのことを考えるなら、イルカに人間が近づかないのが一番だ」というのが真理なのかもしれないなぁとも思う。だけど、やっぱりイルカと泳ぐのは本当に楽しいんだよなぁー単純に。
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出航直前。母島沖港にて |
パパヤのツアーでは、イルカと泳ぐだけじゃなくて、よい漁場となっていたりダイビングのポイントなっている場所で時々泳がせてくれる。
泳ぐといってもビーチでぼーっとかそういうのじゃなくて、潜る人は潜れ!みたいな感じのアドベンチャラスなスイムなのだ。
母島近海でよい釣場となっている岩のあたりで泳ぐことになった。名前を失念したのだけれど、鬼岩かサワラ根とよばれるところだったような・・・。
とにかくそこはいつもは漁船がいるのでなかなか泳げないところなのだけれど、今日は船がいないので入ってみましょうということになった。
で、何故船がいないのか?というと、実は今日は波が3m以上ある荒れた海なのであった。天気はとてもいいのだけれど、台風が近づいてきてうねりが入りはじめていたのだ。
そしてその中を泳ぐ。船は揺れ、波はうねる。意を決して海に入るとそこは大型魚がわらわらと泳ぎ、幾種類もの魚が岩の周りを泳ぐとても素敵なところであった。ここぞとばかりに少し潜る練習をする。とはいってもまだジャックナイフ潜行すらうまくできないのだが、この後またイルカとうまく泳げるように、そして魚をたくさん長い時間近くで見られるように・・・。
ぐっとアタマを下にして潜る。するとものすごく下のほうに人の姿が。
ウェットスーツを着たご夫婦が、水深15mくらいの海底に座って!魚を見ていたのだった。
あの人何者???本当に人間業とは思えない技。
水中滞留時間も数分間。デカい魚かと思うくらいゆったりと海の中を散歩していた。もちろん、素潜りで、スキューバなんかじゃなくて!
実際、何かの競技をされている方だったらしいのだが本当にびっくりした。
青い海の中。回遊する魚たち。
ブルーの中で溶けていく感覚。
イルカがいなくても、海の上で、海の中で感じる世界は、私を遠いどこかへ連れていくような、何もかも忘れてただ幸せの中にいるような、そんな世界のような気がした。
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母島近くのスイムポイント |
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