目覚めると今日は快晴。幸先よい天気。
だけど少し風と波がある様子。これからミスPAPAYA号で父島周りツアーに出る私たちには、天気予報はお天気だけじゃなくて、波と風の情報が重要となる。
それに、小笠原の天気はNHKの全国の天気では情報が出ておらず、天気図をじーっと見て自分で判断するか、東京ローカルの情報を見なければならない。
ちなみに、5年くらい前まではテレビはNHKだけだったそうだ。今は衛星放送が完備されたおかげで割と充実したテレビライフを送ることができるみたいだけど、旅してる身にとっては全然関係ない。誰も見てないし。
水着を着て、Tシャツをはおり濡れてもいい服を着て、パレオとシュノーケル3点セットを持つ。とうとう海へ出発だ。
ミスPAPAYAは2階建てのクルーザー。かなり大きくてわりとたくさんの人を乗せることができる。
今日はもう1航海で帰る人の最終日。PAPAYAのツアーのお客さんも、宿の人たちだけじゃなく、いろんな人が乗り込んでいた。
20人近くはいただろうか?
夏休みやGWなどのピークシーズンには30人以上乗ることもあるらしい。そうなるとイルカも大変だろうなぁ・・・などと思いながら、船長、田中さんの注意を聞く。
イルカを探すためには、この船だけでなく、もう一隻マンボウという和船も動員して2隻が連携しながら連絡を取り合って情報を交換する。
港を出て、南島方面を目指す。
南島とは、父島の南にある無人島で、以前は天然記念物のなんとかマイマイとかいう貝がごろんごろんしてたらしいのだけれど、乱獲?でものすごく激減してしまい、また人間の靴の底についていた外来の草の種が生態系を脅かしているとのことで、今はツアーでの上陸制限もある島である。
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南島ちかくのMissPAPAYA号 |
それにしても、この海の色。
あまりにも青すぎていったいなんやねんと誰かに言いたくなるような。
群青色という名前の絵の具があったけれど、あれを透明にしたような海。 浸かってると、肌が染まってしまうんじゃないかと思ってしまうような深い青。水深が浅いところは、バスクリンクールの色。
あぁ己の表現力のなさを悔やむ瞬間。
時々水中写真家といわれる人が撮った写真を見るけれど、あれがそのまま目の前にある感動。
ちょっと間違うと、もしかしてこれ色つけてるんちゃうん?と思ってしまうくらいウソっぽいけどリアルな景色。
船上からイルカを探しながら船は進んでいく。
イルカを探すって一言で言うけど、普通、そんなんできひんって!と突っ込んでしまいそうなくらい大変なことだと思った。だって、この広い海の中、風があると白波が立つし、その中を偏光サングラスをかけた小笠原リピーターやスタッフたちはイルカが呼吸をしに水面に上がってきたその瞬間の姿を見つけるのだ。
じーーっと見てたら全部がイルカのひれに見えてくるし、船はガンガン揺れるし。
もう一台の船から南島の近くで見つけたらしいという報告を受けて、船はスピードを上げて走り始めた。
とうとう、イルカと会える瞬間が近づいてきた。
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