タイ北部 ’97春
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プロローグ
出発

揺れる感覚
夢のような体験
信じられない色
ドルフィンスイム
南島上陸
マッコウ遭遇
さよならパーティ
おが丸の見送り
母島へ
ハッシー大ジャンプ大会
台風接近
ママヤのレモン狩り
海の中の世界
揺れるミスPAPAYA

小笠原マジック

父島1周の旅
スーパー小祝
ジョンビーチ
シュノーケリング
浸水事件

小笠原マジック

ものすごい星空
ケータ島探検
イルカ三昧
さよならパーティ再び
エピローグ

ハッシー大ジャンプ大会
夕方近くになってようやく母島の近海にやってきた。
日がそろそろ傾きかけている。母島の沖港というところに向けて走っていると、お客さんのひとりが「ハシナガイルカがいる」と言った。
よく見るとすごい大集団で泳いでいるではないか。田中さんが船を近づけると、ハシナガイルカの集団は船に興味を示し始めた。

だいたい夕方のイルカは元気がいいことが多い。人間と遊ぶミナミハンドウイルカも、昼間よりも夕方のほうが一緒に遊んでくれる率が高い気がする。

ハシナガイルカは、ハンドウイルカよりも細身で小さく、より多くの集団でいることが多い。外洋性のイルカなので、例えば日本では御蔵島では見ることができない種類のイルカである。
英名ではスピナードルフィン(Spinner Dolphin)といい、スピン(回転)ジャンプ、きりもみジャンプが大好きなイルカでもあるが、警戒心が強いのか人間とは遊んでくれない。

そのハシナガくんたち、どうやら1000匹近い大集団で泳いでいるようだった。そして何匹かは船の舳先について泳ぎ始めた。
人間の声も聞こえているようで、私たちがキャーキャーとはしゃいでいると、誰ともなくきりもみジャンプをし始めた。
みんなで大喜びし、もっとやれもっとやれとはやすと、イルカもノリノリになってきて、あちこちでジャンプ大会が始まった。

ハシナガなので「ハッシーっ」とか叫びながら、彼らのジャンプ技を見る。 時々すごいのがいて、3回転ひねりジャンプなんていう芸も出始めた。 でも、子供がそれを真似しようとして、全然できなくて、人間が飛び込みして失敗したときのように、お腹から落ちていくアホなイルカちゃんもいて、それはそれで見ていて楽しい。

光る海
ハシナガのジャンプシーン

舳先で見ていると、キーンという音が聞こえてくる。
最初、私は誰かが使い捨てカメラ「写るんです」のフラッシュを準備してる音だと思っていたのだけれど、誰もそんなものは持っていなかった。
そう、その音はイルカの声だったのだ。イルカの声は超音波でもあるので、そういう風に聞こえるのだろうか?それに気づいたときは大発見!!って感じだったのだけれど、まわりのみんなは「今頃何を?」と冷たい視線を送るのであった。

船はゆっくりイルカにあわせて走らせていたのだが、イルカたちはものすごく元気で全然船から離れようとしない。
夕日が島影に落ちていき、あたりはかなり暗くなり始めていた。
田中さんも名残惜しそうに「そろそろ港へ向かいましょうか」と言ったときにはほんの20分ほど経っただけだと思っていたのに、実のところ最初に発見したときから既に1時間を経過していたのだった。

夕焼け空に光るジャンプしたイルカの後ろ姿を見ながら、今日の締めくくりを飾るにふさわしいハッシーの大パーティを見送ったのだった。

光る海
雲の下から夕日が光っていた

 

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