タイ北部 ’97春
憧れの地
プロローグ
出発

揺れる感覚
夢のような体験
信じられない色
ドルフィンスイム
南島上陸
マッコウ遭遇
さよならパーティ
おが丸の見送り
母島へ
ハッシー大ジャンプ大会

台風接近
ママヤのレモン狩り
海の中の世界
揺れるミスPAPAYA

小笠原マジック
父島1周の旅
スーパー小祝
ジョンビーチ
シュノーケリング
浸水事件

小笠原マジック

ものすごい星空
ケータ島探検
イルカ三昧
さよならパーティ再び
エピローグ

プロローグ
旅に少し疲れていた。
旅することそのものに疲れていたのか、旅での好奇心の枯渇を感じていたのか、とにかくなんとなくちょっといつもと違う感じがあった。

4月からずっとタイ、ラオス、カンボジア、韓国、そしてまたタイ、フランス、ポルトガル、スペイン・・・と旅し続けていて、自分にとって一人旅ってなんなんだろう?どんな意味があるんだろう?何のために続けてるんだろう?というようなことをおぼろげに感じ始めていたのかもしれない。

小笠原に行く1週間前にも、友人3人で韓国に行っていた。
何かに取り憑かれたみたいに旅を続けていた。

だから、小笠原に行く日は、憧れの地だったはずなのに、興奮して眠れないというわけじゃなく、単に準備ができなかっただけで徹夜して、疲れたままの状態で、気乗りしないまま竹芝桟橋に行ったのだった。
ドルフィンスイム-2
おがさわら丸2等船室内部

午前8時。東京竹芝桟橋に到着する。
既に大島行きや御蔵島行きの船が出航準備を始めていた。
乗船開始を告げるアナウンスが時折流れてくる。人々が動き始める。
待合室には旅の始まりの気配が色濃く漂っていた。

コンビニで船内での食料を買い込んだりしているうちに(船内の食事は高いらしいと聞いたからその自衛策)おがさわら丸の出航時刻も近づいてきた。今日は平日、そして9月下旬。予想通り船の定員をかなり下回る人数で出航することになりそうだ。

お正月やお盆時期のおが丸はそれはそれはひどい難民船状態になるらしく、廊下に毛布を敷く人も現れたり、しかも揺れがひどい時なんかは床に敷いた毛布ごと人間が左右に流されたりする、らしい。

最初にあてがわれた女性専用の船室が、いやに狭く窓もなかったので、普通の2等船室に変えてもらい、自分たちの番号が書いてある毛布のもとへたどり着く。おが丸の2等は、雑魚寝部屋ではあるけれど、指定席なのだ。
船の入口で引換券のようなものをもらうのだった。
男女混合部屋なので、となりにヘンなおっさんとか来るとちょっとやっかいだから、まわりには注意しながら船内に入ったほうがいいかもしれない。(そんなおっさんはいなかったけどね)

小笠原までは東京からずーっと南へ船は太平洋を行くことになる。
台風が近くにいると外洋の揺れはかなり激しいらしい、ということを聞いていたので、念のため買っておいた酔い止めをきちんと飲んでおく。

出航後1時間くらいは東京湾の中をゆっくりと船は進んでいった。
が、しかしもう既に結構揺れている。左右にぐらぐらとかなりの揺れっぷりである。心なしか船室に置かれている洗面器の数が今までに乗った他の船より多いような気もする。そう思うとよけい揺れてるような気がしてくる。

「なぁ、なんか揺れてるよなぁ」
「このまま25時間続くんかなぁ・・・」
二人は不安なまま旅のスタートを切ったのであった。


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