タイ北部 ’97春
憧れの地
プロローグ
出発

揺れる感覚
夢のような体験
信じられない色
ドルフィンスイム
南島上陸
マッコウ遭遇
さよならパーティ
おが丸の見送り
母島へ
ハッシー大ジャンプ大会
台風接近
ママヤのレモン狩り
海の中の世界
揺れるミスPAPAYA

小笠原マジック

父島1周の旅
スーパー小祝
ジョンビーチ
シュノーケリング
浸水事件

小笠原マジック

ものすごい星空
ケータ島探検
イルカ三昧
さよならパーティ再び
エピローグ

プロローグ
小笠原。それは私にとって憧れの地だった。
いつ、その場所の存在を知ったのか、今となっては覚えていないのだけれど、イルカと泳げる場所として、船でしか行けず、台風にでも遭えば帰ってこられない敷居の高い場所として認識していた。
そして行ったら絶対に好きになることもわかっていた。何故だかわからないけれど、それは確信に近いものだった。
もちろんもともと島好きだし、小笠原に行った人でそこを悪く言う人は本当にひとりもいない、ということもあるけれど。

いつか、絶対行こう。
そう思いながら、ずっとずっと行けずにいた。
会社を辞めてから、アジアやヨーロッパを中心に一人旅を続けていて小笠原という場所のことは心の片隅にありつつも、具体的に行くための調査や行動をしたわけじゃなかった。
たぶんここもインドと同じで、なんか「呼ばれて」ないと行けない場所なのかなとどこかで思っていたからなのかもしれない。

夏の盛りに大阪の実家に帰ったとき、久しぶりに連絡を取った昔の同僚と旅の話になった。彼女とは以前キャンプや温泉に行ったり、宮古島へ旅行に行ったり、時々一緒に旅行してたのだ。
たまたま彼女も無職で、私も無職。今は時間がたっぷりある。
話題はなんとなく小笠原の話になった。いつか行ってみたい場所として。

停泊するおがさわら丸

東京の竹芝桟橋から船で25時間。
丸一日かけておがさわら丸は父島にたどりつく。
船の運航は一週間に約1回。行った便で戻ることを1航海、次の便で帰ることを2航海という。

小笠原の生活はおがさわら丸(通称おが丸)と密接に結びつき、物資はこの船で運ばれ、新聞は1週間分まとめて父島に送られる。(ほとんど意味がないので取ってる人はほとんどいない)

おが丸が運休すれば、東京に帰ることはできない。船はときどき台風や高波で欠航したり遅れたりする。まとまった休みがないと行けず、更に困ったことにこの船代が高いときている。1航海分しか休みが取れないと、下手すると船に乗ってる時間のほうが現地にいる時間より長いなんていうバカみたいなことになってしまう。
そしてもちろん、飛行機は飛んでいない。

そんな島に、今行かなくていつ行くのか!!
今行かないと本当に一生行けないかもしれない!!

無職の状態がそこそこ長く続いていた彼女と、旅もそろそろ最終地点かなと思い始めていた私は、今まで単なる憧れだったその地を、時間が取れる今、本当に訪れるための計画を立て始めたのであった。

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