東京の竹芝桟橋から船で25時間。
丸一日かけておがさわら丸は父島にたどりつく。
船の運航は一週間に約1回。行った便で戻ることを1航海、次の便で帰ることを2航海という。
小笠原の生活はおがさわら丸(通称おが丸)と密接に結びつき、物資はこの船で運ばれ、新聞は1週間分まとめて父島に送られる。(ほとんど意味がないので取ってる人はほとんどいない)
おが丸が運休すれば、東京に帰ることはできない。船はときどき台風や高波で欠航したり遅れたりする。まとまった休みがないと行けず、更に困ったことにこの船代が高いときている。1航海分しか休みが取れないと、下手すると船に乗ってる時間のほうが現地にいる時間より長いなんていうバカみたいなことになってしまう。
そしてもちろん、飛行機は飛んでいない。
そんな島に、今行かなくていつ行くのか!!
今行かないと本当に一生行けないかもしれない!!
無職の状態がそこそこ長く続いていた彼女と、旅もそろそろ最終地点かなと思い始めていた私は、今まで単なる憧れだったその地を、時間が取れる今、本当に訪れるための計画を立て始めたのであった。