トンサイハットでの何もない暮らしもなかなか楽しいが、限られた休暇の中、次に行く場所と時を決めなければならない。ここでの泊まりはとりあえず2泊。次にどこに行こうかなと、ビーチ前の食堂に置かれてあったレッツゴー(英語のガイドブック)を見ながら考える。
ロンリープラネットやレッツゴーは、やっぱりなんだかんだいっても日本のガイドブックよりもずっと詳しい。特に日本ではマイナーなこうしたところでは、「あんたらには負けたよ」と完敗宣言してしまうほどやたら詳しい。字ばかりで質実剛健、土地の様子はすべて想像しながら突き進まなければならないところが旅人魂をくすぐるような気もする。
ところでなんで、英語でもガイドブックだけはちゃんと読めるんだろうなー。不思議。
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干潮のトンサイビーチ |
この旅の当初の目的地は「ピピ島」だった。当時はまだディカプリオの「ビーチ」撮影の話もなかった頃ではあるが、一緒に旅をしている彼らに言わせれば「あの島はやかましい」落ち着けない島だというのだった。
別に、たまたま今一緒のバンガローにいるだけだから、私だけが「じゃぁね」といってピピ島に行けばそれでいい話なのだが、彼らがこれからどこに行こうとするのか、それも興味があった。
夕食時、フィンランディンの空手くん(勝手にそう呼ぶ)に、これからどこへ行くのか聞いてみた。
彼は、「ランタ島に行こうかと思っている」と言った。ランタ島・・・どこ?
旅行人のガイドブック「海洋アジア」を見ると、確かにクラビから2時間船で行ったところにある島だと書いてある。聞いたことない島だけど、「ここは静かでいいらしい」と彼は言った。また、まだまだ開発されていない島なので、なんせ宿代が安いのだ。
うーん。どうしよう・・・。そこに私も行ってみようかな、ピピ島ならいつでも行けるしな・・・。
一晩考えた次の朝、私は彼らに言った。
「せっかくやから、私もランタ島に行く。一緒に行ってもいい?」
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